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不安症状との上手な付き合い方

坂田亮介
2025年10月9日

不安は誰にでもある自然な感情ですが、日常生活に支障をきたす場合は専門的な対応が必要です。

不安とは何か

不安は、危険や脅威に対する正常な反応として、誰もが経験する感情です。適度な不安は、私たちを危険から守り、準備を促す重要な役割を果たします。しかし、この不安が過度になり、日常生活に支障をきたすようになると、不安症(不安障害)の可能性があります。

不安症状の種類

全般性不安症(全般性不安障害)

健康や将来、仕事、家族など日常のさまざまなことに対して過度に心配し、その心配をコントロールできない状態が6か月以上続く場合。不安から動悸や睡眠障害、肩こり・首こり、落ち着かなさなが生じやすい。

パニック症(パニック障害)

突然の強い不安発作(パニック発作)を繰り返し、発作への恐怖から行動が制限される状態。電車やバス、高速道路、エレベーターなどを避けるようになる。

社交不安症(社交不安障害)

人前で失敗や恥をかくことの不安から、人前で話したり、発表するような社交場面を避けるようになる状態。

限局性恐怖症(高所恐怖症など)

特定の対象(高所、動物、血液など)に対して過度な恐怖を感じる状態。

不安症状と上手に付き合う方法

不安を感じたときに、すぐに実践できる効果的な方法をご紹介します。これらの技法は、多くの患者さんが日常生活で活用され、不安の軽減に役立っています。

生活習慣の改善

不安と上手に付き合うためには、日々の生活習慣を見直すことがとても大切です。小さな変化でも、継続することで大きな効果を実感できます。

睡眠について

推奨される取り組み

毎日同じ時間に寝起きし、7-8時間の質の良い睡眠を心がけましょう。

不安への効果

睡眠不足は不安を悪化させる要因になります。十分な睡眠により感情のコントロールが安定します。

運動について

推奨される取り組み

軽い有酸素運動(散歩、軽いジョギング、ヨガなど)を週3-4回、20-30分程度行いましょう。

不安への効果

運動はストレスホルモンを減少させ、幸福感をもたらすエンドルフィンの分泌を促進します。

食事について

推奨される取り組み

バランスの取れた食事を規則正しく摂り、カフェインやアルコールの摂取を控えめにしましょう。

不安への効果

血糖値の急激な変動は不安を誘発することがあります。安定した栄養摂取で心身の状態が整います。

リラクゼーションについて

推奨される取り組み

読書、音楽鑑賞、入浴など、ご自身がリラックスできる時間を意識的に作りましょう。

不安への効果

定期的なリラクゼーションは副交感神経を優位にし、心身の緊張をほぐす効果があります。

専門的な治療

日常生活での工夫だけでは不安が改善しない場合、専門的な治療が効果的です。不安障害の治療は大きく分けて、心理療法と薬物療法があります。患者さんの状態や希望に応じて、最適な治療法を選択していきます。

まとめ

不安症状は、適切な対処法と治療により十分にコントロール可能な症状です。重要なのは、不安を「悪いもの」として排除しようとするのではなく、上手に付き合いながら日常生活を送る方法を学ぶことです。一人で抱え込まずに、必要に応じて専門家のサポートを受けることで、より早く、より効果的に改善へと向かうことができます。

坂田亮介

著者

名東メンタルクリニック 院長
精神保健指定医・日本精神神経学会専門医

医学的監修済み (2025年10月9日)

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